ブッダとはお釈迦様のこと。紀元前5~6世紀ごろの人物と言われています。
ブッダは、自ら悟りを得た後、他の人々にも悟りの道を教えました。ブッダの教えが仏教の根本になっています。
今から約2600年以上前から人の悩みや苦しみの種は変わらず、解決する方法もまた変わりません。
その方法は「正しさ」です。
簡単な方法ではありませんが、これを読むことで解決に一歩近づけるはずです。
仏教とは「成仏」して生きることを目指すこと
ここでの「成仏」とは死ぬことではありません。
苦しみから解き放たれ「さとり」を得た状態のことを「成仏」といいます。
苦しみから解放されるにはどうすればよいか、これが仏教の根本の考え方です。
では苦しみとはなんでしょうか?
まず、仏教の基本的な4つの考え方
一切皆苦…人生は思い通りにならない
諸行無常…すべてはうつり変わる
諸法無我…すべては繋がりの中で変化している
涅槃寂静…仏教が目指す「さとり」
すべては変化し、自分の思い通りにならない。
思い通りにならないことを自分以外のものに原因を求め不満や怒りを抱く。
それは自分自身が生み出しているものです。
自分自身の疑いや誤ったものの見方、プライドや誇り、欲望などの「煩悩」が原因だから、
「煩悩」をなくすことで、安らかな心で生きることができる。
安らかな心「涅槃寂静」つまり「さとり」を得れるということです。
悩みや苦しみは自分の煩悩が原因だから、煩悩をなくせば安心して暮らせるよってことです。
全ての人が避けることのできない苦しみ「四苦八苦」
四苦八苦とはもともとは仏教用語になります。
人が生きる上で避けられない苦しみの種類のことです。
四苦(根源的な苦しみ)にプラス四苦、合計で八苦になります。
四苦八苦と言われると四苦プラス八苦で12苦だと思ってしまいますよね。
四苦(根源的な苦しみ)
生…生きる苦しみ
老…老いる苦しみ
病…病気の苦しみ
死…死んでいく苦しみ
八苦
愛別離苦…大切な人や大好きな人でもいつかは離れなければならない苦しみ
怨憎会苦…大嫌いな人や顔も見たくない人とも出会う苦しみ
求不得苦…お金や物、地位や名誉など、求めるものが手に入らない苦しみ
五蘊盛苦…心や身体を思うようにコントロールできない苦しみ
これが仏教でいう苦しみです。
2600年も前から人間の悩みや苦しみが変わらないことがわかりますよね。
では、これをなくすためにはどうすればいいんでしょうか?
生きることは苦に満ちている。それはあらがいようのない真理である。
だから生きることが苦しいのは当たり前と言えるのだ。
とブッダは言いました。
「成仏」とは、仏に成る。仏とは、何にも心乱されず、人々の苦しみや悩みを解決しようとする人のことです。
ブッダはこの苦しみから心乱されないために、
四諦八正道という、どのような心構えで物を見、考え、行動していくかを説きました。
四諦八正道
四聖諦(四諦)
さとりへ導く4つの真理。なぜ苦しみがうまれるのか。どうすれば消せるのかを説いています。
①苦諦…生きることは思い通りにならないと理解し、苦しみと向き合うこと
②集諦…苦しみの原因はものごとに執着した煩悩にあると理解すること
③滅諦…煩悩を原因とする苦しみを消し去り、仏教の目指す世界「涅槃の境地」に達すること
④道諦…涅槃に達するための修行の道(八正道)を実践すること。
生きるということは思い通りにならないものだから、向き合い、執着を捨てなさい。
執着を捨てれば、涅槃に達することができるから、修行しなさい。
ということです。
その修行の内容が八正道になります。
つまり、苦しみから解き放たれたければ、煩悩をなくすためには、八正道を実践しなさいということです。
八正道
苦を滅する方法
①正見…正しいものの見方、考え方をもつこと
②正思惟…怒りや憎しみに左右されず、正しい意志で判断し、心の行いを正すこと
③正語…嘘や悪口をいわず、正しい言葉を使うこと
④正業…殺生や盗みなどはせず、正しく生きること
⑤正命…行儀よく、規則正しい生活を行うこと
⑥正精進…善いことへ向かって、正しく努力すること
⑦正念…正しい意識をもつこと
⑧正定…正しい心を保つこと
どんなときも正しくあれ
つらく苦しいときほど、「正しさ」について考えましょう。
「正しさ」とは人それぞれあると思いますが、自分が正しいと思う「正しさ」でいいと思います。
自分が正しいと感じるときは、ときに逃げることもまた「正しさ」だと思います。
いままで「正しく」生きてきたなら、今のつらさや苦しみは諸行無常、うつりかわるなかで良くなっていくでしょう。
もし「正しく」生きてこなかったとしても、これから「正しく」生きていくなかで、そのつらさや苦しみは、やわらいでいくでしょう。
悩みや苦しみは簡単にはなくならないと思います。
思い通りにはいきません。
心や身体を思うようにコントロールできないこともまた、苦しみです。
簡単な方法などないのです。
今を生き生きと生きるために
すべてが縁起(あらゆるものがかかわりあって存在していること)によって成り立つものです。
自分以外のものへ慈愛の心をもって接し、一瞬一瞬を尊く生きること。
生かされている「いのち」で毎日を大切に生き、自分本位ではなく周りへの思いやりをもって行動することは、苦しみの原因である執着をコントロールすることにもなります。
ブッダの約2600年もの前の教えは今にも通じます。
苦しいときこそ、「正しさ」について考えましょう。
そして、正しい自分であることを意識しましょう。
近道はありません。
それを知ることが、今をイキイキと生きるコツなのです。
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